4月21日(土)ワークショップのご報告~絶望は希望の入り口である~

暖かい日差しの降りそそぐ平成30年4月21日。
待ちに待った第1回ケア未来塾(旧ケアキボ)のワークショップがおこなわれました。
 
総勢9人の方にご参加頂きました。
「ケアを受ける方・ご家族が大切にされる未来を創造する」という青木代表の強い想いから作られた「ケア未来塾」。
今回はその勉強会の様子をレポートさせて頂きます。
*(写真は、「ケアの場を希望が持てる場にしたい」となっています。これは、「ケアの場を希望が持てる場にしたい」という代表の想いから「ケアキボ」という活動名にしようと考えていました。その後、想いが昇華してケア未来塾となっています)
 

代表の想い

まずは,青木代表が「ケア未来塾」に込められた想いを熱く語りました。
・お父様が心臓の病気で亡くなられたこと
・それをきっかけに看護師になったこと
・ご自身も心臓の病気を抱えていること

・その治療のために患者の立場にもなったこと

青木代表は,患者の立場に立って,忙しい現場では「患者をモノとして見ていないか」「こちらの都合で仕事をしていないか」という疑問を強く持ったのです。誰でも「ケアを受ける側」にまわる可能性があります。
そうしたときに,「モノ」として扱われるのではなく,「人間」として扱われたい。ケアを受ける方やご家族が大切にされる未来を作っていきたい!そんな想いを皆さんに語りかけていました。

メンバーの自己紹介

メンバーは,
看護師
介護施設の施設長
精神保健福祉士
理学療法士
薬剤師

そしてご家族を介護する介護の当事者
というバラエティに富んだ構成となりました。        

立場は違えど,皆さん,情熱を持った方ばかりです。
それぞれのメンバーからケアへの想いが語られました。
・福祉施設でのケアのあり方への強い問題意識を持っていた方
・介護の当事者として障害を抱えた家族がより活き活きとすればいいと願っている方
・難病を抱えながら精神障害者の就労支援をしている方
・訪問診療の現場でよりよいケアを考え続けている方
・理学療法士として患者さんへの寄り添い方を真剣に考えている方
・自ら介護経験もあり,また薬剤師としても,介護の場に希望を持とうとしている方
・病院の看護師として現場をよりよくしようと尽力している方
一人一人が語る想いに,皆さんが静かに耳を傾け,気が付けば自己紹介の時間だけで30分以上が経っていました。
これだけの真剣な想いを持った方々が第一回から集まったことは,ケア未来塾の今後の成長を大きく予感させるものでした。
 

ワークの内容

その後、ワークに入りました。

1 ペアディスカッション

 
ペアを組んで「少年の頃の夢」について語り合うものです。

自分の小さいころを思い出し語るのは最初は恥ずかしくもありましたが,語っているうちに,自分のことを聴いてもらえるのはとっても嬉しいことだなと実感しました。

本当は誰でも自分のことを理解してもらいたい,耳を傾けてもらいたいと思っていて,それはケアを受ける当事者にとっても同じことではないでしょうか。
そう思わせるワークでした。

2 大切な価値観を捨てていく

「愛情」「家族」「仕事」「名誉」「個性」「信頼」など,さまざまなワードが書かれた用紙がメンバーに配られました。ワードの数は実に210個。

さらに自分で考えついたワードを記載する用紙も配られました。あらゆる単語のなかで,自分の自己実現にとって大切なものを10個選択するという作業が行われました。

10個選択するのはわりと大変なことなのですが,選んだあとでそれをさらに半分にするという作業をしました。

210個以上の単語のなかで絞り込んだ5つの単語。
その人の人生にとってはとても大切なものであるはずです。
ここからがこのワークの本番。
5つの単語を一つ一つ付箋に書いたうえで,4人グループになります。

そうして,この単語が自分にとって大切な理由を語ったうえで,それを「捨てます」と宣言して捨てていくのです。

たとえば,「わたしにとって家族はいつも支えてくれて日々の活力になる存在です。とっても大切です。」と言いながら,「でも捨てます」と言って捨てるわけです。

大切な価値を捨てるということの苦しさを実感できるワークでした。

 
きっと,ケアの現場では多くの利用者さんがそういう苦しい想いを感じておられるのではないでしょうか。
 
・家族に会いたい。でもあきらめる。それがケアの現場だから。
・夢を叶えたい。でもあきらめる。それがケアの現場だから。
・肯定されたい。でもあきらめる。それがケアの現場だから。
・自由に動きたい。でもあきらめる。それがケアの現場だから。
・愛情が欲しい。でもあきらめる。それがケアの現場だから。
・仕事がしたい。でもあきらめる。それがケアの現場だから。
・文化的なことがしたい。でもあきらめる。それがケアの現場だから。
・成長したい。でもあきらめる。それがケアの現場だから。

・ゆとりをもった生活をしたい。でもあきらめる。それがケアの現場だから。

ケアの現場だから。

でも,それでいいのかという問題意識がケア未来塾の出発点です。
あらためて,問題意識の大切さをメンバーが共有できるよいワークでした。
 

3 わたしたちの自己実現の支援とは

つづいて,グループディスカッションです。

自己実現の支援ってなんだろう。ケアを受ける方の自己実現のためにはどんなことがケアの現場で求められているんだろう。そういうことを4人チームでディスカッションしたうえで,別のチームとシェアするというものです。

わたしのチームでは,

・自己実現が幸福感とつながっていること
・ケアを受ける方の「自己実現」が何かは目に見えないこと
・だからその想いを引き出すことが大切であること
・想いを引き出すためにはケアする者とされる者の信頼関係が必要であること

・ケアを受ける方の想いを引き出してその実現手段を考えることが支援であること

つまり,「ケアは考える杖」であること

といった話が出てきました。

また、他のチームの皆さんの話も大変参考になるものでした。

各チームで共通していた意見は,患者さんとのコミュニケーション・信頼関係の大切さです。「ケア」も結局のところ人と人との関わりですから,コミュニケーションと信頼関係がすごく大切になってくるわけです。

そういうことに気付くと同時に,なかなか現場では忙しくてそこまではできていないという声もあり,気づきと今後の課題を感じることができるワークでした。

最後に

次回のテーマをメンバーでディスカッションしました。

テーマがあらかじめ固定されているのではなく,こうやってチームの意見を踏まえてテーマを柔軟に決めていくところも,ケア未来塾の特色ですね。

皆さん,やはり理想の「支援」をしていくなかでたくさんの課題を感じていました。そのなかでも,どうやってケアを受ける方と信頼関係を成立させたらいいのかという点には多くのメンバーが関心をもっていたので,次回はそのあたりに焦点をあてたワークになりそうな予感です。

 
その後,司会進行の方から総括がありました。

理想の支援と現実の難しさを両方感じる今回のワーク。

司会の方が言った言葉は,「絶望は希望の入り口である」というものでした。

 
理想と現実の距離がわからないとケアの現場は改善していきません。
1回目の勉強会のおかげで,皆さんが希望の入り口に立つことができたのです。
 

関連記事

カレンダー

2018年6月
« 3月   7月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

月別アーカイブ

Twitter

ブログ統計情報

  • 8,205 アクセス
PAGE TOP